1.大工塾の経緯と考え方:丹呉明恭
1998年 大工塾が開始、大工塾の卒業生が集まって 2007年に「杢人の会」が発足、2010年 木造設計塾、2012年 九州大工塾と、大工塾の開始から現在までの経緯は、造り手から木造住宅を考え、木に従う木造住宅のつくり方を追い求める動きです。その経緯や大工塾での講義内容を紹介しながら、九州大工塾の講義方針を説明します。
2.渡り腮構法とは:丹呉明恭
丹呉明恭+山辺豊彦の木構造の勉強会は 1992年から始まりました。1995年の阪神・淡路大震災をきっかけにして、手作りの実験装置で実大の壁の試験を繰り返しながら、伝統型の木造住宅の構造技術を解析してきました。渡り腮構法はその結果として成立したものですが、その間の経緯を概観しながら、木構造へアプローチします。
3.木材試験:黒木宏之
木造建築の伝統的構法に用いられ期待される耐力要素は、接合部に耐力を期待するものが多いです。その接合部の設計にあたって、木材が持っている異方性という性質を無視することは出来ません。そこで本講座では木材の異方性という問題を実験を通して理解します。
4.SS試験:西野晃司
SS試験で地盤の状態を把握して、基礎の設計をすることは基本です。実際にSS試験をやりながら、記録用紙の記入の仕方、記録のまとめ方、記録から地盤を判定する仕方を学びます。
5.日本の住宅政策:丹呉明恭
戦後の日本の住宅政策が現在の住宅の形をつくり出してきました。その延長上に将来の木造住宅像を築くことができるのかどうか、住宅政策が生み出した問題群をデータで見ながら考えて、木造住宅のあり方を考えます。そこから、九州大工塾の方向性を探ります。
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